原発も還暦超え?

2022/11/27 04:00 山陰中央新報 コラム WEB

img_93077debd4bab7089dc8681971b65cc91703742.jpg近い将来、数え年61歳の還暦を過ぎても現役で働く原発が出てくるかもしれない。「原則40年、最長60年」としている運転期間について経済産業省が、再稼働の審査などによる停止期間を年数から除き実質的に60年超の運転を可能にする案で最終調整に入った▼審査期間を除外すると、10年程度「延命」が可能な原発も出てくる。

論議の過程では、上限を撤廃して米国並みの「80年運転」も可能にする案も検討されたが、世論にも配慮したのだろう▼元々現在の基準は、福島第1原発の事故を受けて設けられた。

「今更言うな」とは思うが、科学的な根拠があるわけではないらしい。仮に「おいしく食べられる目安」の賞味期限みたいなものだとすれば「もったいない」との意識が働く。

そのためか、世界の現役原発の4分の1は既に40年超とされる▼構造物や機械などに定められた「法定耐用年数」はあくまで税務上の基準。物理的な耐用年数は決まっていない。

例えば東京タワーは人間で言えば間もなく64歳。東海道新幹線は開通から58年になる。必要な改修や管理を続ければ、寿命の上限は決まっていないようだ▼ただ人間も機械も長く働けば、年数とともに疲労や衰えから変調を来しやすい。

そんな教訓からだろうか。迷信と笑われるかもしれないが、数え年61歳は厄年、男の42歳は大厄になる。人間も原発も、用心するに越したことはない。

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