セシウム含む海水でゴカイ飼育 体内蓄積の仕組み解明へ

2022年11月26日 08時55分 福島民友新聞 WEB

221126news4-thumb-300xauto-73468.jpg県は、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムが海水を通じて時間の経過とともに生物に取り込まれる過程を、実験によって調査する。県はこれまでも餌からのセシウム取り込みについて調べていたが、海水からの生物への放射性物質の蓄積について調べるのは初めて。25日に相馬市の県水産資源研究所で、セシウムを含んだ海水での環形動物「ゴカイ」の飼育が始まった。

同研究所によると、セシウムが海水から生物の体内に取り込まれることは分かっていたが、セシウムを含んだ海水に生息する期間によって、どれだけの量が体内に蓄積されるかは解明されていなかった。

 実験に使用する海水には、原発事故で放出されたセシウムを溶け込ませる。阿武隈山地から採取した落ち葉から抽出して海水に混ぜ、濃度が第1原発の港湾の出入り口付近とほぼ同じ1リットル当たり1ベクレルになるよう調整する。

 実験では、セシウムを含む海水が入った三つの水槽で、ヒラメやカレイなどが餌とするゴカイを約500グラムずつ飼育。1、2週間後と4週間後にそれぞれ引き上げ、体内の放射性物質の量を測定する。佐久間徹副所長は「放射性物質が海水を通じて取り込まれる仕組みを明らかにすることで、県産水産物の安全性をさらに発信していくことにつなげたい」と話した。

調査結果の公表は来年度になる予定で、県水産海洋研究センター(いわき市)でも今後、セシウムを含んだ海水での魚類の飼育実験を行う。

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